GoToイート終了……なぜ失敗したのか。原因はEPARK×無限くら寿司のせい？
11月13日にGoToイートキャンペーンが近日終了する予定だと発表されました。
Go Toイート 予約サイト経由ポイント付与事業 受け付け終了へ | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース
最長2021年1月末までポイントが付く予定だったので、早めに終わるということです。
予算額616億円に間もなく到達し、メインがオンライン飲食予約からプレミアム付き食事券に移ります。
※追記：大阪でGo To イートの利用者は4人以下にするという条件を検討しているようですので、他の自治体でも同様に利用条件が追加されるかもしれません。
お住まいの都道府県のルールが変更されていないか、随時確認しましょう。
ＧｏＴｏイート、４人以内限定も 大阪知事要請に西村担当相：時事ドットコム
どうしてわずか2か月弱で早くも終了してしまうのかという、その理由について解説します。
GoToキャンペーンって何があったっけ？
コロナで不振になった業界を税金投入で促進しようということで、GoToトラベルとGoToイート、GoTo商店街とGoToイベントが企画されました。7月末に混乱の中始まったわけですが、功罪相半ばしながらも消費を促進するという成果を上げたことは確かです。
私自身はGoToトラベルで7泊して16,000円割引、GoToイートで10,000ポイントとプレミアム付き食事券1枚を購入しました。
ajin-kousatu.hatenablog.com
GoToトラベルでは高額のホテル・旅館に予約が集中して、ビジネスホテルや民泊に恩恵がいきわたりませんでした。
わかりやすい問題点なので、メディアでも9月以降盛んに取り上げられました。
一方で利用しないと分かりにくいGoToイートは、GoToトラベル以上に問題を抱えているため、失敗した理由の前に仕組みから解説していきます。
続々と終了アナウンス、Go To イートキャンペーンの実施状況は今どうなってるの？ - ミレニアム早大生
GoToイートの仕組み・カラクリって？
「Go To Eatキャンペーン事業」について：農林水産省各予約サイトに加盟したお店を予約することで、ランチ500円ディナー1,000円のポイントをあとから付与するというキャンペーンです。
主なサービス提供者に、食べログ・ぐるなび・ホットペッパーグルメ・Retty・Yahoo！ロコがあります。
各サイトは食事からポイント付与まで数日～1か月かかるために、大変使いづらかったです。
というのも、ポイントで食事してもポイントが付与され、前回分のポイントを次の食事で使うことができるからです。
この当時は鳥貴族でポイント以下*1の食事をすると食事代を払わないどころか、儲かるということで「鳥貴族錬金術」が話題になりました。
これが10月1週目の状況です。
※農水省がポイント以上の食事にのみ付与するように呼び掛けて是正。
そして最強の刺客・EPARKと連携してポイントを即日付与するとうたったくら寿司が大々的にキャンペーンを打ち出し、『鬼滅の刃』無限列車編コラボをしていたこととかけて「無限くら寿司」が話題になりました。
※無限くら寿司は無添くら寿司と掛けてるらしいです。大変な失礼をしました。ごめんなさい。
ちなみに無添というのは全食材から化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料を除去することだそうです。
株式会社くらコーポレーション | IR担当者インタビュー
公式にプロモーションをかけていたので、広く浸透。さすがのマーケティングです。
実際EPARKは食事の数十分～数時間でポイントが付与されるため、くら寿司の予約は連日満席となりGoToイートは実質GoToくら寿司にすり替わりました。
もちろんくら寿司以外でも使えるのですが、価格帯的に安いためコスパが良く、多く利用されたのです。
ちなみにくら寿司のランチ「くらランチ」を頼むと、550円が500円引きで実質50円の負担になります。
ラーメン・うどんやそばと一品料理・デザートを調整して頼むと、510円ほどに収まり実質10円で食事できます。
10月中旬以降、食べログ・ぐるなび・ホットペッパーグルメ・Rettyを置いて、EPARKが無双し始めました。
なぜサイトごとにポイント付与までの時間が違うのか大きな問題だと思いますが、結局改善されないままです。
殿様商売をする他社とは異なって、EPARKだけが企業努力をしたという受け止めになりますがそれでいいんでしょうか？
EPARKを使った人には（レシートをすんなり承認してもらえる限り）良いサービスで好評、使ってない人にはずるい！という反感・不評になるために、EPARKにとってポイント即時付与は苦肉の策であったことが察せられます。
頑張った人が報われにくい、日本の悪いところが出てしまっていませんか？
EPARKが努力しない人たちから、おかしなとばっちりを受けないことを切に願ってやみません。
ミスリードな記事タイトルをつけていますが、私の本心はEPARK批判ではなく、オンライン予約事業者のサービスに問題があったという指摘です。
主要メディアがじきに報道するでしょうが、予約サイトごとに送客手数料が違うのも問題視されていました。
大手サイトだと予約数は多いのですが、1人につき昼100円・夜200円の手数料を取られるため利益率が下がってしまうのです。
食べログ昼100円・夜200円、ぐるなび昼50円・夜200円、ホットペッパーグルメ昼10円(無料掲載は50円)・夜50円(無料掲載は200円)、Yahoo！ロコ昼100円・夜200円が一例です。
他方、Rettyや中小オンライン予約サイトでは、手数料が無料のところもあります。
とはいえ予約する人が多い予約サイトに登録しないことには、Go To イート利用者の利用は見込みにくいでしょう。
どこに登録？「Go To Eat キャンペーン」各グルメ予約サイトの送客料一覧まとめ | フードファン！ | FOOD FUN！
どのお店がどの予約サイトに登録しているのか調べるのも簡単ではありません。
結果的に時間に余裕のある人が、プレミアム付き食事券含めGo To イートを多く利用し得することになりました。
早期終了を不満に感じるのは、ほとんど利用できなかった堅実な労働者です。
忘年会・新年会・新入社員歓迎会・退職送別会で使えるものだと期待していた人も多かったと思います。
不平等感をいかに和らげるか、5万円の特別定額給付金でしょうか。うーん。なんだかなあ。
GoToイート予算の大半はEPARKが消費したと考える人が多く、休日予約の取りづらさからしてもそれは妥当な意見かもしれません。
つまりGoToトラベルで高級ホテル⇔ビジネスホテルで格差が生まれたように、GoToイートではEPARK⇔その他という構図で結局似たような問題を放置してしまったのです。
（（🍣））
見て！GoToイートが10月から始まったよ
お得だね
🍣
みんながくら寿司にばかり行くので、GoToイートが終わってしまいました。
お前のせいです
あ～あ
どうすればよかったのか？公平なGoToイートにするために
Go To イートの事業目的は"感染予防に努めている飲食店と、食材を提供する農林漁業者を応援する”というものです。その意味で言えば、用意された予算を消化したということは、偏りがあるとはいえ喜ばしいことかもしれません。
ただGo To イートに国内の飲食店・農林漁業者を支える効果があったか、と言われると、それはわからないのが実情です。
やはりどのサイトから予約しても、同じタイミングでポイント付与を受けられるようにすべきでした。
この記事ではEPARKを悪者にしていますが、実際には即日ポイントが付与されない場合もあったようです。
お店のPOSシステムの送信にタイムラグがあったり、セルフレジなのにGoToを利用するには店員を呼ばなければいけないお粗末。間違えたお始末。
会計を済ますのに1分以上かかるため、今までの会計に比べて店員の負担は以上に膨れ上がったといわざるを得ません。
本当に申し訳なくなるくらい忙しそうでした。
感謝に堪えません。
ランチであれば500円で食事が終わるために回転率を通常より高くできるはずが、予約は定数と決まっているために空席が出来ていることもありました。
予約なしのお客さんもいるにはいます。
ポイント付与終了後にも通ってくれる、彼らを優遇するような割引クーポンを配布・配信できると良かったのですが、そう簡単ではないのでしょう。
中には予約だけして実際には来店しない迷惑な人もいました。
予約時間は10分ごとに選べるのですが、週末は満席で10日以上前に予約しなくてはいけません。
しかも同じ店の予約は食事に行くまで新しい予約ができないシステム。
不正な予約を減らすためでしょうが、繰り返し行きたい人には予約の手間が増えて面倒なものです。
ポイント付与ではなく、その場で支払額から値引きするGoToと同じシステムであればもっと利用者が増えたでしょうし、国民に平等に利用できたことでしょう。
税金でやるキャンペーンなわけですから、もう少し誰にでも使いやすくするべきだったというのが結論です。
ajin-kousatu.hatenablog.com
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*1:昼500円夜1,000円以下
