著作権違反で違法?検索上位の漫画ネタバレサイト収益を計算して比較してみた!
マンガのネタバレ文化()がいつから始まったのか定かではありませんが、インターネットが普及した1990年代やブログがはやった2000年代、スマホが普及した2010年代前半が始まりではないかと考えられます。
私としては『ワンピース』『ナルト』辺りがネタバレ文化()の発祥つまりは被害者だと思います。(詳しい方はコメントお願いします反映しますので)
この記事ではネタバレサイト運営者がアドセンスやアフィリエイトでどのくらい収益を得たのか、旬な漫画『鬼滅の刃』を例に算出計算してみようと思います。
「あらすじ」「感想」「考察」以上の内容に踏み込むことは避けましょう。
そもそもネタバレって違法じゃないの?
著作権法違反(公衆送信権侵害、出版権侵害)ではないか?という疑問があるかと思います。事実、「ジャンプ感想ネタバレあらすじまとめ速報」「ワンワンピースまとめ速報」の運営者や「漫画村」の運営者は著作権法違反で逮捕・起訴されています。*1
https://www2.accsjp.or.jp/criminal/2017/1202.php
ネタバレの定義づけは判例が少なく難しいのですが、基本的にページの画像をそのまま載せるのがアウトです。
以下は『ワンピース』のネタバレによる秋田地裁*2から引用した犯罪事実です。
漫画の画像データを「記録保存して」「法定の除外事由がなく,かつ,著作権者の許諾を受けないで,」「インターネットを利用する不特定多数の者に自動的に公衆送信し得る状態にし,もって前記Bの著作権及び前記Cの出版権を侵害」するとアウトになりました。
著作権侵害→著作権法119条1項と23条1項
出版権侵害→著作権法119条1項と80条1項2号
に該当します。
「被告人を懲役1年6月及び罰金50万円に処する。
未決勾留日数中30日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から3年間その懲役刑の全部の執行を猶予する。」
という判決です。
ただこの被告は、「発売前の漫画の画像をブログにアップロード」していて、明らかに出版社に損害を与えたといえるいわゆる早バレです。
以前、製本所や印刷所からネタバレ情報が流出したことがありましたが、それに近いですね。
画像データをそのまま載せるだけでなく、話の起承転結を詳細に(文字情報マルコピ)記述するのも著作権侵害と認められる場合があります。
最近では、YouTubeで動画(スライドショー)にしているチャンネルもあり取締りが追い付いていない状況です。
いずれにせよ、漫画の内容をそのまま載せるのは犯罪行為ですので、SNSにも載せないように気をつけましょう。
ネタバレの多い漫画とは
ジャンプ系が圧倒的に多いです。最近では社会現象になった『鬼滅の刃』『進撃の巨人』が多いでしょう。
「作品名 ネタバレ」「作品名(略) ネタバレ」でヒットするサイトを調査してみると、出るわ出るわの作り立てのワードプレスサイト。
人気で差をつけるのはあれですが、額が大きい方が分かりやすいと思うので今回は『鬼滅の刃』『進撃の巨人』のネタバレサイトのアクセス数と収益を目安で出します。
検索数の算出にはaramakijake.jp*3、ピーク時の検索数計算にはGoogleトレンド*4を利用します。
グーグルとヤフーの検索数合算です*5。
検索順位3位までのネタバレサイトを対象に収益を計算します。
収益の計算ではGoogleAdSenseは1アクセス0.5円です。
アフィリエイトの場合は、成約するクリック率0.5%で計算します。
それではどうぞ!
『鬼滅の刃』ネタバレサイトの収益予想
「鬼滅の刃 ネタバレ」で月間検索数450,000。検索順位順に紹介します!あらかじめ断っておくと、検索ワードは「タイトル ネタバレ」以外にもあり流入は数倍あると思われます。
さらにおすすめの記事*6や参照からも何割かアクセスされるため、ここで算出する数字より実際の収益は大きいことにご了承ください。
1位 アプリーグ
いわゆるネタバレサイトとは違いますが、推定(以下略します)月間20万PVとなっています。企業運営で著作権に気をつかっているようで、Twitterを引用しています。
BookLive!とU-NEXTのアフィリエイトだけ載せているので、アフィリエイトで計算します。
BookLive!は売り上げの10%、U-NEXTは約¥1,000なのですが面倒なので単価1,000円とします。
20万(アクセス数)×0.005(クリック率0.5%)=1,000人、1,000×1,000=100万円
天下の鬼滅のわりに意外と少なめ??いえいえ、11月はピーク時の65%ほどの検索数なのでピーク時*7には150万円であったと予想できます。
7月にアップされた記事なので順位が上がる期間を考慮に入れて、9月~11月の間で合計300万ほどの収益を得ているでしょう。
2位 ReaJoy
最終回の紹介のようです。こちらのサイトはマンガのネタバレというか本の紹介ですね。月間5万PVでしょうか。
アドセンス使っていますが、読みにくさはないように配慮されています。
こちらもU-NEXTアフィリエイトですね。
アドセンスで25,000円、アフィリエイトで250,000円となり月27.5万円と計算できます。
ピーク時は月30万円になるでしょうか。9月に更新されていますが、85万円弱は収益が出ているものと思われます。
3位 トヨトミ城
やはり最終話は需要が多いみたいで、またも最終回ネタバレ解説です。とうとう漫画のネタバレを集中的に扱う、良質なネタバレサイトに行きつきました。
「タイトル N話 ネタバレ」で出てくるサイトこそが悪質なネタバレサイトなのですが、調査が膨大になるため別の方にお任せします。
月間4万PVですので、アドセンスは2万円になります。
楽天アフィリエイトもアドセンスと同じくらいだそうなので、2万円とします。(詳しい方コメントお願いします)
月4万の収益、ピーク時に月6万円になろうかと思います。
5月末の記事なので、合計約30万円の収益です。
『進撃の巨人』ネタバレサイトの収益予想
『鬼滅の刃』に比べてごりごりにネタバレするサイトが多い印象です。2011年連載開始ですが、2013年にアニメ化して以降書かれたサイトがほとんどと言えそうです。
検索数のピークはアニメ1期放送の2013年8月で、今は2割ほどに落ち込んでいます。
12月の3月に合わせて上がるでしょう。
「進撃の巨人 ネタバレ」で30万、「進撃 ネタバレ」で5,000の検索数になっています。
始めましょう。
1位 進撃の巨人ネタバレ考察【アース】
月間13万アクセスでアドセンスとアフィリエイトです。『呪術廻戦』『キングダム』『ワンピース』と節操のない超人気漫画紹介になっております。
アドセンスで6.5万円、アフィリエイトはebookで単価3,000円として195万円になり月約200万円。
おおお鬼滅よりすごい!だからあんなにバカみたいにあるんですね。
しかも2013年のピーク時には月1,000万円の可能性もあります。作者より儲かってるんじゃない?
合計金額を出すのは大変ですが、2013年6割・2014年3割・2015年3割・2016年5割・2017年7割・2018年2割・2019年2割・2020年2割の88か月で計算すると、3億2,200万円になりました。
さすがに作者ほどは収益出てないですが、異常なもうけであることは確かです。
2位 DIGLE MAGAZINE
意外にも企業のオウンドメディアでした。2020年8月の記事と相当新しいものになっています。計算楽になってありがたい。
収益は1.75万円+17万円で月19万円になります。
合計76万円ほどになるでしょう。
3位 進撃の巨人 ネタバレ解説
ザ・ネタバレサイトですね。各話のネタバレ(画像無し)とずいぶん良心的です。
アドセンスとAmazonアソシエイトで月2.5万PV。
サイト説明に慎重な説明があり、細心の注意を払っていることが分かります。
1つの記事の収益は月2万円ですが、よく読まれる記事を40として合計で80万円とします。
このサイト、本物のファンのサイトのようで2012年から始まっています。(うわー計算大変笑)
1位のサイトと同じ数字で約100か月の計算(実際はちょい複雑です)すると、合計2億8800万円の収益です。
ネタバレサイトは増えていく?
人気漫画があって、広告をつけられるかぎりネタバレサイトは無くならないでしょう。なんと言ったって、楽に稼げるわけですから……。残念ですが。
『進撃の巨人』はアニメ放送後も連載しているのでまだまだ需要があるようですが、『鬼滅の刃』はアニメから間もなく完結したことにより『進撃の巨人』ほど食い物にされずに済んだのかもしれません。
コミックスが売れたうえでネタバレが繁殖するなら良くないにしても救いはありますが、売れずにネタバレサイトが繁盛するようだといよいよ終わりという最悪の状況になるかと思います。
ネタバレを見る人の信条としては、節約して作品を楽しむ(???)ということになるのでしょうが、せめてネタバレで満足せずにコミックスやグッズを新品で買ってもらいたいところです。
なんにせよ作者や出版に少なからぬ損害を与えていることは確かなので、「あらすじ」「感想」「考察」の域を出ない記事でとどまってほしい思いがあります。